企業調査を外部に依頼する前に、社内で整理しておきたい3つのこと

「とりあえず依頼」が調査の質を下げてしまう

新規事業の検討や競合分析のために、外部の調査会社へ企業調査・市場調査を依頼しようと考えたとき、多くの担当者はまず調査会社を探すところから始めます。

しかし、依頼先を探す前に社内で整理しておくべきことを飛ばしてしまうと、せっかく費用をかけて依頼した調査であっても、期待していた成果が得られないという事態に陥りがちです。

調査会社は、依頼者が伝えた情報をもとに調査設計を行います。

つまり、依頼する側の準備が不十分であれば、どれだけ優れた調査会社であっても、的確な調査を行うことは難しくなってしまうのです。

本記事では、外部に企業調査を依頼する前に、社内で整理しておきたい3つのポイントについて解説します。

ポイント1:調査によって解決したい課題を明確にする

「なんとなく知りたい」では調査は設計できない

調査を依頼する際、「競合のことをもっと知りたい」「市場の動向を把握したい」といった、漠然とした目的のまま依頼してしまうケースは少なくありません。

しかし、こうした曖昧な目的のままでは、調査会社側も何を重点的に調べればよいのか判断がつかず、結果として的を射ない調査になってしまう可能性があります。

「その情報を使って何を決めたいか」を言語化する

課題を明確にする上で有効なのが、「その調査結果を使って、社内でどのような意思決定をしたいのか」を先に言語化しておくことです。

新規参入の可否を判断したいのか、価格戦略を見直したいのか、あるいは業務提携先を選定したいのかによって、必要な調査の切り口はまったく異なってきます。

目的が明確であるほど、調査会社への説明もスムーズになり、調査設計の精度も高まります。

ポイント2:社内にある既存情報を棚卸しする

既に持っている情報を把握せずに依頼すると重複が生まれる

社内には、過去の営業活動や展示会でのヒアリング、既存顧客からのフィードバックなど、断片的ながらも有用な情報が既に蓄積されていることがあります。

こうした社内の既存情報を棚卸しせずに調査を依頼してしまうと、既に把握している内容を重複して調査してしまい、限られた予算を効率的に使えなくなる可能性があります。

既存情報と外部調査の役割分担を考える

社内に蓄積された情報で説明できる部分と、外部調査によって新たに明らかにすべき部分を切り分けておくことで、調査会社に依頼すべき範囲がより明確になります。

この整理を行っておくことは、調査費用を最適化する上でも重要なステップです。

ポイント3:調査結果を活用する社内体制を事前に描いておく

調査結果を受け取った後の流れを想定する

調査を依頼する段階で見落とされがちなのが、「調査結果が納品された後、社内でどのように活用するか」という流れの想定です。

調査レポートが完成しても、それを読み込み、意思決定に反映させる担当者や体制が明確でなければ、せっかくの調査結果が活用されないまま埋もれてしまうことがあります。

関係部署との連携を事前に確認しておく

調査結果が経営層への提案資料として使われるのか、営業戦略の見直しに使われるのかによって、レポートに求める粒度や見せ方も変わってきます。

調査を依頼する前に、関係部署とどのように連携し、誰が最終的な意思決定を行うのかを確認しておくことで、調査結果を無駄なく活用する体制を整えることができます。

社内整理を行うことで得られるメリット

調査会社とのコミュニケーションが円滑になる

課題や既存情報、活用体制が整理された状態で調査会社に相談することで、初回の打ち合わせから具体的で建設的な議論を進めやすくなります。

調査会社側も、依頼者の意図を正確に理解した上で提案を行えるため、双方にとって効率的なプロセスになります。

調査費用を有効に活用できる

目的や既存情報が整理されていれば、本当に必要な調査範囲に絞って予算を配分することができます。

漠然とした依頼のまま進めてしまうと、不要な調査項目にまで費用がかかってしまい、結果的にコストパフォーマンスの悪い調査になってしまうリスクがあります。

整理した内容を社内でどう共有するか

簡潔な1枚の資料にまとめる

課題、既存情報の状況、活用体制といった整理内容は、長い文章で残すよりも、簡潔な1枚の資料にまとめておくことをおすすめします。

関係者が短時間で内容を把握できる形にしておくことで、調査を依頼する前の社内合意も得やすくなります。

決裁者と早い段階で認識をすり合わせる

調査費用の規模によっては、上長や経営層の決裁が必要になる場合もあります。

整理した内容をもとに、決裁者と早い段階で目的や期待する成果をすり合わせておくことで、調査実施後に「思っていたものと違う」という認識のズレを防ぎやすくなります。

まとめ|依頼前の準備が、調査の成果を左右する

企業調査・市場調査を外部に依頼する際は、調査会社を探す前に、まず社内で課題の明確化、既存情報の棚卸し、活用体制の想定という3つのポイントを整理しておくことが重要です。

こうした事前準備を丁寧に行うことで、調査会社とのコミュニケーションが円滑になり、限られた予算の中でも本当に必要な情報を的確に得ることができます。

外部への依頼を検討し始めたら、まずは社内での整理から着手してみることをおすすめします。